これからマンションを売り出す方や売却中の方は、「一刻も早く売れてほしい」「早くマンションを売却して次の住まい探しをしなければ」という切実な思いに駆られているのではないでしょうか。
この記事では、
- マンション売却期間の目安
- 売却が長引くことによる弊害
- マンションが売れない原因とその解決策
などについて解説していきます。
ご一読頂ければ、どのタイミングでどのような行動を起こすべきか把握できるようになるはずです。
目次
1.理想的なマンション売却期間は3ヶ月
こちらはマンション売出しから成約までの期間に関する2014年のデータです。
(平均約3.3ヶ月) |
(参考:三井住友トラスト不動産)
三大都市圏のみのデータですが、マンション売却にかかる期間は3ヶ月程度がひとつの目安であるといえるでしょう。
また、3ヶ月以上も物件情報が公開されていると、頻繁に物件情報をチェックしている購入希望者や不動産会社から、「売れ残り物件」というイメージを持たれてしまいます。
「何らかの売れない理由があるはずだ」、「価格が以前より下がっているからまだ下がるかも」などと認識されてしまうと、さらに売却期間が長引き、それにつれ値下げ幅も大きくなるという悪循環に陥ってしまいます。 |
(参考:不動産のリアル )
【マンション売却の流れ図(一部)】
画像全体はこちらからダウンロードできます
ここで、マンション売却にかかった期間と価格の実例を、口コミ掲示板「マンションコミュニティ」より、抜粋します。さまざまなケースがあるので参考にしてみてください。
【マンション売却にかかった期間と価格】
〈期間〉9ヵ月 〈期間〉1ヶ月 〈期間〉チラシに出した週末に3件内覧、そのうちの1組に売却 〈期間〉1週間 |
2.マンションが売れない3つの原因と解決策
(1)価格に問題がある
【チェックリスト】
□ | ①相場より高く価格を設定している |
□ | ②そもそも周辺相場を把握していない |
□ | ③査定から売出しまでに時間がかかってしまった |
□ | ④同じマンション内で他に売出し物件がある |
□ | ⑤管理費・修繕積立金・駐車場代などのランニングコストが高い |
【解決策】
①相場より高く価格を設定している
内覧の希望者が少ない、たとえ希望者が来ても話が進まないのは、売出し価格が相場より高いせいかもしれません。
改めて、媒介契約した会社に売出し価格とその根拠を示してもらい、価格を見直しましょう。
売却した人の8割が100万円以上値下げしたというリクルートのデータもあります。
媒介契約期間終了後、別の不動産会社に査定し直してもらうのもよいでしょう。
②そもそも周辺相場を把握していない
suumoや・HOME’Sなどの不動産情報ポータルサイトや新聞チラシなどから周辺の似た条件の物件価格を自分で調べ、相場を把握してください。
その際、下記の条件が近い物件を調べましょう。
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③査定から売出しまでに時間がかかってしまった
査定額が出てからじっくり考えている間に、マンション需給や物件条件の変化などにより、相場とのズレが生じ、買い手のニーズと価格が合わなくなってしまうことがあります。
そんな時は不動産会社の担当者にタイムリーな査定額を示してもらい、価格見直しの相談をしてみましょう。
④同じマンション内で他に売出し物件がある
同じマンション内の売り物件は最も有力な競合相手です。その価格や条件をチェックしましょう。間取りや階数、方位など総合的に見て、値下げが必要かどうか判断してください。
⑤管理費・修繕積立金・駐車場代などのランニングコストが高い
このコストに関しては自分の努力でどうにかなるものではありません。
好立地である、または賃貸物件を借りるよりも割安であるなど、何か優位性があればそこをアピールしたほうがよいでしょう。
【価格に関する体験談】
”うちは(ネット掲載の)3週間後くらいに値段を下げて、そこで買いたいという方と値段交渉の末に決まりました。結局、ネット掲載して二番に問い合わせのあった方でした。”
(引用:教えて!goo )”3か月で売却したいのなら1か月経過時点での値下げは妥当な判断です。(中略)相場より少し低いところまで落とせば売れるでしょう。”
(引用:Yahoo!知恵袋 )”物件をHPに掲載して3ヶ月経っても売却できない時は、その価格と相場がミスマッチと考えます。そこでその価格から10%下げて再掲載したところ、問い合わせがあり購入希望者はそこから10%引きの指値を入れてきましたが、差し戻しをして5%で話をまとめました。”
(参考:Yahoo!知恵袋 )
(2)購入希望者にとって魅力的に映らない
【チェックリスト】
□ | ①広告用写真の見栄えが悪い・様子がわかりにくい、または外観と間取り図のみ掲載し、室内の写真を載せていない |
□ | ②内覧の際、部屋が雑然としている |
□ | ③内覧前に水回りを特別に掃除していない |
□ | ④内覧時の接客は不動産会社の担当者に任せっきりだ |
□ | ⑤部屋で喫煙している、ペットを飼っている、など部屋に独特の「匂い」がある |
【解決策】
①広告用写真の見栄えが悪い・様子がわかりにくい、または外観と間取り図のみ掲載し、室内の写真を載せていない
広告用写真を洗練されたものに撮影し直す・または動画にする、などの工夫ができないか不動産会社に相談してみて下さい。
居住中だから、室内写真を載せるのはためらわれる…という方もいらっしゃいますが、写真を載せた方が断然訴求力があります。
〈洗練された写真にするコツ〉
こちらのサイトもご参考下さい↓ |
(参考:yahoo!知恵袋 )
②内覧の際、部屋が雑然としている
部屋が散らかっていると、単純に印象が良くないうえに収納能力に劣る部屋だと判断されてしまいがちです。不要な荷物は処分し、片付けておきましょう。
また、内覧者がクローゼットなどの収納スペースを見せてほしいと要望した場合も、躊躇なく応じられるように、すっきり整頓しておくようにしましょう。
③内覧前に水回りを特別に掃除していない
キッチンや洗面・浴室などの水回りは多くの方が最も気にかかる部分です。
そこだけでもクリーニング業者に依頼して磨いてもらうか、ご自分で念入りに掃除するなどしておくことをおすすめします。
④内覧時の接客は不動産会社の担当者に任せっきりだ
内覧は見学者にとって、実際住んでいる人だからこそ分かることを聞くチャンスでもあるので、質問しやすい雰囲気を作っておくと良いでしょう。
また、マンションという高い買い物ですから、好感の持てる人から購入したいと考えるのが人情です。挨拶や服装など良い印象を持たれるよう心掛けてください。
また、可能であればご夫婦のどちらかがお子さんやペットを外に連れ出しておくと良いかもしれません。
〈見学者が実際住んでいる人から聞きたいこと〉
※「新築時の購入価格」や「なぜ売却するのか」などのデリケートな質問は担当者に対応してもらう方が無難です。 |
⑤部屋で喫煙している、ペットを飼っている、など部屋に独特の「匂い」がある
喫煙をしていたりやペットを飼っているお宅はもちろん、そうでない場合も自分では気付かない独特な匂いがある場合もあるので、内覧前は匂い対策をしておいた方が無難でしょう。
【内覧前の匂い対策の例】
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(3)不動産会社の活動に問題がある
【チェックリスト】
□ | ①インターネットの不動産サイトに広告が載っていない、周辺にチラシが撒かれていない |
□ | ②他社からの買い主仲介が見受けられず、不自然に感じる |
□ | ③担当者のやる気が感じられない |
□ | ④担当者との連絡のやり取りに不満がある・報告の内容が薄い |
□ | ⑤担当者の営業スキルに不安がある |
【解決策】
①インターネットの不動産サイトに広告が載っていない、周辺にチラシが撒かれていない
大手不動産ポータルサイトなどに広告が掲載されているか、チラシが撒かれているかなどをご自分でチェックしてみてください。足りないと感じたら不動産会社に広告を増やしてもらうよう交渉してみましょう。
②他社からの買い主仲介が見受けられず、不自然に感じる
専任・専属専任媒介で契約している場合、不動産会社が「両手仲介」を狙って、不正な「囲い込み」行為を行っていることがあります。
※囲い込みとは、売り主から依頼された不動産会社が、仲介手数料を売り主・買い主から双方から得るために他社の顧客に物件を紹介せず、自社の顧客の買い主に仲介をすること。 売り主が他の不動産会社から紹介されるかもしれない顧客と出会う機会を損失させる、背任行為であるといえる。 |
依頼先の不動産会社が「囲い込み」をしているかもしれないと感じたら、他の不動産会社に 「この不動産(売却を依頼してる物件)の所有者だがREINSに登録されているか確認したい。もし登録されていなければ御社に販売を切り替えることも考えたい」 などとお願いして、「囲い込み」があるのかどうか見極め、その結果次第では不動産会社を変更しましょう。(参考:suumo ) |
③担当者のやる気が感じられない
そこには不動産会社が多忙、あなたの物件の優先順位が低い、など何かしらの理由があるはずです。
あまりに対応が悪い場合は媒介契約終了後に不動産会社を変更することも視野に入れましょう。
④担当者との連絡のやり取りに不満がある・報告の内容が薄い
一般媒介契約では売り主への報告義務がないので状況が把握しづらい、また不動産会社側も販売活動に力を入れにくいという事情があります。
それを不安に感じる方は、数社の一般媒介契約をしている会社の中から自分に合った会社を選んで、専任媒介契約に切り替えるという方法があります。
なお、「駅に近い」「人気のエリアにある」など、好条件の物件は不動産会社の販売活動に関わらず注目を浴びやすいので「一般媒介契約」のままでもよいかもしれません。
それ以外の物件では、不動産会社の販売PRが左右することもあり、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」が向いているといえるでしょう。
(参考:HOME’S )
⑤担当者の営業スキルに不安がある
自動車であれ保険であれ、どの業種でも「出来る営業マン」が多くの契約を勝ち取りますよね。もちろんマンション売却担当者も例外ではありません。
「出来る営業マン」とは、あなたの売却理由を親身に聞き、しっかり販売計画を立ててから、価格の説明を丁寧に行う人です。
担当者が「出来る営業マン」ではないと感じたら、こっそり担当者の上司に不満を伝えてみるか、あるいは大手不動産会社の場合はお客様相談室などに相談して改善を期待してみてはいかがでしょうか。
(参考:スマイスター)
3.次の住まいに住み替えるタイミングは?
住み替えの場合、マンション売却と新居購入のタイミングを合わせるのはなかなか難しいものです。
一般的には売却を終え、ローンを完済してから新居の購入活動にあたる「売却先行」という方法をとる方が多いようです。
ですがマンション売却金に頼らなくても、新居の購入資金を準備できるような場合や、売却期間が長引く場合は「購入先行」「同時進行」での住み替え活動を行うという選択肢もあります。
この方法だと、賃貸物件などに仮住まいをする必要がなく、余分な費用や手間がかかないというメリットがあります。
4.おわりに
これまで、マンション売却期間に関して、「3ヶ月」という期間を目安に活動の見直しをすべきことや、マンション売却が長引く原因と解決策などをご説明してきましたがいかがだったでしょうか。
基本的に「売れない不動産はない」と言われます。この記事が少しでもあなたのマンション売却のお手伝いになれば幸いです。