住宅ローン破綻に陥りやすい人って?押さえておきたい4つの原因と対策

住宅ローン_破綻
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憧れのマイホーム。
夢を抱いてから、今まで何件と物件を見てきたことか…ようやくこれが理想だ!と思える物件と巡り会うことが出来た。

住宅ローンを借りれる目処も立ち、家を買う準備を進めるが、予想以上のローンの支払額に今の世帯収入を考えれば妻も働いているし、なんとかやっていけそうだが、この先子供が出来て、妻が働けなくなって、などと考えるとこのままこの家の購入して良いのかどうか迷っていた。

そんな時にネットでたまたま目にした「住宅ローン破綻」という言葉。え?住宅ローン破綻?
住宅ローン破綻とは、何らかの理由でローンを払うことができなくなってしまうことらしい。

今まさに自分が不安に感じているワードそのもの。

もし住宅ローン破綻が起きてしまえば、

    • そのローンで購入するはずだったマイホームを失う
    • 家族が路頭に迷う

など、最悪の事態も考えられるという。

それでもあなたはマイホームを買うべきなのでしょうか?

今回は、住宅ローン破綻を起こさないためにも事前に知って欲しい知識についてご紹介いたします。今組もうと考えている住宅ローン、少し見直しませんか?

1.銀行の審査が通っても破綻する?住宅ローン破綻とは

そもそも住宅ローンが破綻してしまわないように銀行が査定をするのでは?と思うかもしれません。銀行も注意深く査定はしますが、年収に対する一定の割合(返済比率)を上回っていなければ、査定を通してしまいます。

決して「返せるかどうか」ということだけで判断していないため、『査定を通った=ローンを返せる保証になる』ということではないのです。ローンの返済ができるかどうかは、あくまでも自分自身で考えなければならないことです。

(1)住宅ローン破綻の具体的な状況

住宅ローンが破綻した場合、具体的にはどのような状況になってしまうのでしょうか。「住宅ローンを払うお金がない」以外では、次のようなことが起こる可能性があります。

※「(3)住宅ローン破綻による影響」でも詳しく説明します。

  • 住宅を手放さなければならない
  • 別の住まいを探す必要がでてくる(希望通りの住まいではない場合も)
  • 引っ越しを余儀なくされ、子供の転校の必要が出てくる
  • 家族が不安にさいなまれ、精神的に安定しない
  • 購入価格よりも低い価格での売却となり、多額の財産を失う可能性がある

どれも家族のことを考えれば「避けたい」と思えること。ローンが支払えなくなるだけでなく、家族全員が困ることになるかもしれない、今の生活ができなくなるかもしれない…ということを想定しなければなりません。

(2)住宅ローン破綻に陥る原因

住宅ローン破綻に陥ってしまう理由はいくつかあります。具体的には次のようなものです。参考サイトや実例などをご案内しますので、リンク先までよく読んでみてください。

ア.自分の支払い能力を認識していなかった

住宅ローン破綻をした人で、「月々の支払額を見る限り、払い続けることができると思っていた」という人は多いものです。

次の参考サイトにもありますが、そうなってしまう理由は「借りられるお金」=「自分が返すことのできるお金」だと誤解したからだと言えます。

住宅を購入するほどの多額のお金を借りれば利子が付き、返すべき金額は大きく跳ねあがってしまうのです。さらに、金利が変われば支払う金額の「総額」に非常に大きな変化がでてきます。「月々の金額がこれくらいなら簡単に返せそうだ」という間違った感覚に囚われてしまわないよう、注意する必要があります。

(参考サイト:住宅ローンによる生活破綻者増加…身の丈に合わない家購入は危険

 

イ.予期せぬ事態が発生して収入が減った、支出が増えた

「共働きだから大丈夫」と夫婦ペアローンを組んだAさんの例をご紹介します。

Aさんのご家庭は夫婦共働きであるため、ひとりで背負うローンの金額は少ないもののように感じられました。ですが、それは「二人でなければ返せない金額」でもあったのです。

その後Aさんは転職に失敗。長期間収入が途絶え共働きの収入は半減、住宅ローン返済は滞り、結果的には家を売ることになってしまいました。これはペアローンであったかどうかは関係なく、「ずっと同じ収入があることを前提にローンを組んでしまった」ことによる失敗といえます。

参考サイト:住宅ローン破綻をして借金地獄に陥らない家の買い方。頭金と貯金なしでマイホーム購入はまさにギャンブル

 

ウ.不動産の広告を鵜呑みにして貯金なしで購入した

「頭金なしで住宅が購入できる」という謳い文句で、「貯金はないけど大丈夫かな?」安心してしまっていませんか? 頭金を支払うと利子も大きく減り、ローンの総額がより小さくなります。頭金なしということは、それだけ借金が大きくなってしまうということ。ローンを組む際、頭金にできる程度の貯金をしておくことがとても重要になります。

同じように、「賃貸の人は、今の家賃と変わらない月々の支払いで家を買える」という広告も目にします。これらを鵜呑みにしてしまうと、なんとなく「貯金がなくても大丈夫では…?」という気持ちになるかもしれませんので、注意が必要です。

参考サイト:「頭金0円」の本当の恐怖

 

エ.政府の政策や経済環境

昨今の景気を鑑みて、政府は国民に「家を買いやすくするための政策」を進めています。マイナス金利、住宅ローン減税などの優遇などです。また、経済的に見ても長期金利が低下したり、銀行も「借りやすさ」をアピールするパッケージを用意したりしています。

確かにこれらの政策や経済環境は、住宅購入と住宅ローン返済の手助けになるものです。ですが、「これがあるから簡単に返せる」というほど大きな影響があるものではありません。

参考サイト:家なんか買わなければ破産しなかった人が増えている

 

(3)住宅ローン破綻による影響

住宅ローン破綻することで、あなたや家族にはどのような影響があるのでしょうか。

ア.納得のいかない形であっても家を手放さなければならない

家を購入するためのローンを返済できないのですから、当然家は手放さなければなりません。もしその家を売ったお金が十分なものであるのなら、今後の生活を支える資金にもなるでしょう。ですが、「もう売却しか手段が残っていない」という状況で、高く買ってくれる人を探したり、家族が願うよいタイミングを狙ったりということは、なかなか難しくなってしまいます。

下記参考サイトのBさんは、家を売却したものの買値の3分の1の価格となってしまいました。

参考サイト:住宅ローン延滞から任意売却。わずか3分の1で家を売り、最後は破産【体験談】

 

イ.家族が苦しむことも…

住宅ローンが破綻する、あるいは破綻しそうになることで、家族、親族が苦しんだり、迷惑をかけてしまったりする場合もあります。同居する家族については既にご説明した通りですが、さらに同居していない親や兄弟姉妹、親族にも迷惑をかける場合があります。

参考サイトのCさんは、親に繰り返し借金を頼むことで、親の老後資金を使い果たしてしまいました。「とりあえず誰かにお金を借りる」となると、やはり両親や兄弟姉妹、親族に頼らざるを得ないことも多いはず。彼らの人生設計も狂わせてしまう危険性があることは、十分に理解しておくべきでしょう。

参考サイト:家族を巻き込む!住宅ローン破綻からの老後破綻への連鎖

 

2.あなたは大丈夫?住宅ローン破綻に陥りやすい人

住宅ローン破綻は、ローンを組む人には誰にも起きうること。ですが、「住宅ローン破綻に陥りやすい人はどんな人か」という考え方としては、次の二通りがあります。

  • 住宅ローン破綻の危険性を持っている人

社会生活を送っている人間である限り、誰にでも起こりうる危険性というものがあります。これはローンを組むすべての人があてはまるものです。病気や転職などの危険性についてしっかり考え、可能な限り対策を講じておけば、住宅ローン破綻からは逃れられる可能性があります。

→(1)誰にもある住宅ローン破綻の危険性 にて説明します。

  • 住宅ローン破綻に陥りやすい「特徴」を持っている人

誰にでもありうる住宅ローン破綻の危険性に加え、さらに住宅ローン破綻に陥りやすいのではないかという特徴を持っている人がいます。その人物が置かれている環境、もともとの性格や気質も関係してくるものです。

これらについては、よく自分を分析し、「自分もあてはまるのではないか」と疑ってみることで対策を練ることができ、住宅ローン破綻を回避できる可能性が高まります。

→(2)あなたは「より」住宅ローン破綻に陥りやすい人かも? にて説明します。

(1)誰にもある住宅ローン破綻の危険性

まずは、誰にでもありうる住宅ローン破綻の危険性です。これらはすべて「収入の減少」に直結することだからです。収入の減り方はそれぞれの状況によりますが、「収入がゼロになる可能性もある」という最悪の事態まで考えなければ、住宅ローン破綻は防ぐことができません。ア~カのことがあってもローンを支払うことができるだろうか、ということを考えてみてください。

ア.病気・事故

病気や事故により働けなくなってしまったり治療費がかさんだりして、住宅ローン返済にお金をまわせなくなってしまう危険性は大きいものです。これらはまさに「誰にでも起こりうる」ことですので、自分だけはだいじょうぶだという考え方は危険です。

また、住宅ローンを組んでいる本人(名義を持つ人)だけでなく、家族についても考えておく必要があります。住宅ローンを組むことを考える際、あわせて保険の見直しをしておくことも、将来を考えるよいきっかけになります。

イ.転職

大黒柱の転職だけでなく、妻の転職についても考えておく必要があります。希望しての転職であればある程度計画的に動くことも可能ですが、勤務先の倒産やリストラなどによる希望しない転職になってしまうと、貯蓄計画とは関係なく収入が途絶えてしまうことに…。少なくとも「現状の収入の最大値」を基準にローンを組むことは避けておいたほうがいいでしょう。

ウ.介護

働く本人や夫婦が若く現状健康であっても、ご両親は違います。突然介護が必要になってしまう可能性も十分考えておきましょう。また、いまは大丈夫でも、何年後かにはそのような状態になるかもしれない…というある程度の想定は必要です。自分達ではない誰かが日々の介護を行うとしても、介護にかかる費用については自分たちが捻出する場合もあります。

エ.妊娠・出産

いつか子供が欲しいと考えている場合には、妊娠・出産による費用、産休や育児休暇のあいだ収入が減ることなども考慮しましょう。なお、出産により長期間体調を崩す女性も珍しくありません。どうしても予定通り復職できない例が多いことも理解しておいてください。

オ.子供のこと

復職後は子供自身や子供の預け先の事情などがあり、復職前と同じだけの収入を得られるかどうかは慎重に判断する必要があります。

◇考えるべき可能性

  • 入園できる保育園が見つからない(その地域により待機児童問題あり)
  • 勤務時間と子供を預けられる時間帯が合わない
  • 保育料が思いのほか高額になってしまった
  • 預け先のイベントのために仕事を休まなければならない可能性もある
  • 子供の身体が弱く思うように預けられないため、以前のようには働けない

カ.住宅購入の年齢

住宅購入の年齢が高いと、「住宅ローンを組める期間が短い」ということになります。一般的にローンを組める年齢は、65歳から70歳程度。80歳までに完済すればよい、という金融機関が多くを占めています。返済まで余裕があるように見えますが、実際に「いつまで収入があるか」ということを考えれば、定年を目安にすべきだと考えるのが無難でしょう。

◇考えるべき可能性

  • ローンを組む期間が短くなり、1ヶ月あたりの返済額が大きくなってしまう
  • 定年後の支払いがある場合、返済にあてるだけの収入が確保できない
  • 退職金や年金をあてにするのも難しいかもしれない
  • 将来住宅ローン破綻に陥り、高齢で家を失うこともあるかもしれない

(2)あなたは「より」住宅ローン破綻に陥りやすい人かも?

次に考えていただきたいのが、「住宅ローン破綻に陥りやすいのではないかという特徴」についてです。

ア.収入が高い人

だれしも今の状態を基本として考えてしまうもの。収入が高い人は特に、「もし収入が減ったら」ということを想像しにくくなっています。また、余裕があるので計画的にお金を使うことが苦手な人も多いものです。収入が多くても、それを超える支出があれば意味がありません。

イ.共働きで家計の管理を夫婦別にしている人

共働きの場合、家庭全体としては大きな収入になるかもしれません。ですが、管理が夫婦で別になっているとお互いのお金の動きは見えにくく、無駄な支出が増えてしまっている可能性があります。住宅ローンのためにどれほどの貯蓄が必要かなどをしっかり話し合い、家庭全体の収支を把握してから、住宅ローンを組むか組まないかを判断しましょう。

ウ.ライフプランを明確にしていない人

住宅ローンを組むのに必要なのは「計画性」です。ただし、「どのように返済を行っていくか(月々いくら支払うか・ボーナス払いは使うのか)」などの金額の計画だけではなく、「人生のうち、いつ、どのようなことがあるか」という人生の計画(=ライフプラン)がとても重要になります。

ローンを返済するためのお金を稼ぐのは人です。ライフプランを考えることは、無理なく返済しながら生活していくことができるかどうかを具体的に判断するために必要なこと。転職を考えているかいつになるかわからない、お金がなくなってしまったら妻にも働いてもらえばいい…など、その場その場での判断しかできない人は、住宅ローン破綻のリスクも高いと考えるようにしましょう。

エ.頭金なしで購入する人(資金ゼロで購入する人)

頭金なしでも住宅ローンを組むことは可能です。ですが、頭金を支払うということは、それだけ住宅ローンの総返済額が少なくなるということ。住宅ローンの返済額の多くを占める「利子」を減らすことができます。頭金なしで購入する人は、それだけ借金が増えるのだということをしっかり頭においておかなければなりません。

また、頭金がないということは自己資金がないということでもあります。どんな事情があるにせよ「それまでに貯蓄できてない」ということですから、今後の貯蓄も難しいだろうという予測がつきます。資金計画、ひいてはお金の使い方について考えてみる必要もあるでしょう。

オ.自分自身で調べない人

他人の意見はとても参考になりますが、人によって支持する考え方は違います。メリット・デメリットの捉え方も人の主観によって異なるもの。それを信じてしまえば、あなたにとって本当によい方法であるかどうかはわからなくなってしまいます。誰かを信じ切ってしまうのではなく、自分自身で手広く調べ、自分自身で答えを探し出せるようにしましょう。

  • 金融機関のシミュレーションなどを利用して具体的な数字を知る
  • インターネットで国税庁など公的なホームページの情報を確認する
  • 経験談を参考にする場合は、できるだけ多くの情報を得る
  • 複数の金融機関に相談してみる

以上のようなことが必要です。自分自身の財産のことですから、自分自身の手で正しい情報を掴んでいきたいものですね。

3.改めてライフプランを考えてみよう!

以上のことを踏まえ、改めてご自身のライフプランを考えてみましょう。自分で簡単な表をつくってみてもよいのですが、インターネットにあるようなライフプランのシミュレーションソフトを使うと、人生における大きなイベントを漏らさずに考えることができます。

【お勧めライフプランシミュレーションソフト】

一般社団法人 全国銀行協会 ライフプランシミュレーション

ゆうちょ銀行 ライフプランシミュレーション

日本FP協会 ライフプラン診断

ひとりで作成するよりは、夫婦でこれからのことを話しながら取り組んでみることをお勧めします。

4.住宅だけに縛られない考え方を

ここまで、住宅ローン破綻に陥る危険性、それを回避するためのライフプランを立てることの重要性についてお話してきました。これらの内容を頭に入れた上で、最後に考えたいのが、「いま組もうとしているローンが無謀なものではないか」ということです。

確かに、人生においてよい家に住むのはとても重要なこと。生活する環境を大切にするのは決して間違ったことではありません。ですが、住宅のためにその他のことが犠牲になってしまえば、幸せなことだとは言えなくなります。身の丈に合った金額の住宅を購入し無理のないローンを組むことでさまざまな不安や不満を解消することができれば、そのほうがいいのではないでしょうか。住宅以外にもお金をかけるべきことはあるはずです。

ぜひ、ご家族の意見を聞きながら、「住宅のために必要以上の無理をすることになってしまわないか」「今の生活を失ってまでその家を手に入れるべきか」ということを考えてみてください。

おわりに

住宅ローン破綻は、決して珍しいことではありません。「なんとか返済できるのではないか」というあいまいな考えで高額な住宅ローンを組んでしまえば、誰にでもありうること。住宅ローン破綻を避けるためにどうするのか、さまざまな危険性を知って回避しようとすることが重要です。その結果、ローンによる借り入れを減らすという勇気ある決断が必要になるかもしれないことも、よく理解しておきましょう。一番に考えるべきは住まいという箱ではなく、家族のことです。

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