【住宅査定って?】査定の仕組みと事前に必ず知っておきたいこと

住宅査定
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家を売るには、まず不動産会社などによる査定を行い、家の価値を判断してもらう必要があります。査定のことについて知らないままだと、「すぐに不動産会社の人が家に来ることになるのでは?」など、不安に思われるかもしれません。
本記事をお読みいただくことで、住宅査定の種類や方法・仕組みについて、また、どうすればより高く査定してもらうことができるかを、よく理解していただけると思います。あなたが査定を利用するうえでの不安がなくなり、ご自宅をより高く売ることのお役に立てば幸いです。

1.住宅を査定する方法とは?

住宅を査定してもらうにはどのような方法があるのでしょうか?査定の2つの種類と、実際に査定することになった場合はどこに依頼すればいいのかについてご説明します。

(1)査定の種類

査定には「訪問査定」と「机上査定」の2つの種類があります。家を売る場合、基本的には実際に家を見て行われる訪問査定が必要となり、「机上査定だけで済む」というわけではありませんが、まずは訪問査定と机上査定がどう異なるのかを知っておきましょう。

ア.訪問査定とは

不動産会社などの仲介業者が、実際に物件を見て住宅の査定をすることです。数字や説明などによる情報のみではなく、実際に物件の状態を確認するため、精度の高い査定価格を打ち出すことができます。

【訪問査定で仲介業者が確認をするもの】
(訪問時)

  • 家の間取り、室内の様子、リフォームの必要性
  • 建物全体の様子、共有部分の確認
  • 日当たりのよさ、方角、眺望、周辺の状態
  • ゴミ捨て場や道路の広さ・状態などの周辺の状況

(業者が同時に行う)

  • 登記記録(登記簿)の確認
  • 物件に対する法規制の確認
  • インフラの整備の状況の確認

訪問査定のメリット、デメリットは次のようなものです。デメリットはありますが、きちんと査定をするにはいずれにせよ訪問査定が必要になります。デメリットについては「訪問査定の際に注意する点」として考えるようにしましょう。

◆訪問査定のメリット…

  • 実際の査定額に近い額が打ち出される
  • 査定中に不明なことがあればすぐに確認しあえる

 

◆訪問査定のデメリット…(訪問査定の際に注意する点として考えましょう)

  • 業者の訪問時に立ち会う必要がある
  • 訪問日のために家の中の整理整頓、掃除などが必要になる
  • 査定において不利になる点を隠すことができない
  • 近所の人に知られてしまう場合があり、事前に査定業者に連絡をして考慮してもらうなどの対策が必要になる
  • 査定額が出るまでには、ある程度時間がかかる

イ.机上査定とは

実際に物件を見て査定をする「訪問査定」とは異なり、不動産会社などの仲介業者が、数字や説明などによる情報のみで物件の審査をすることを言います。

周辺物件がどの程度の価格で売り出されているかなどの情報を頼りに、可能な限り訪問査定で打ち出される金額に近づけていきます。ですが、やはり「訪問して確認しなければわからないこと」は多く、机上査定のみで最終的な査定額を打ち出すのは難しいと考えられます。あくまでも目安となる金額を出すだけの「簡易査定」です。「訪問査定を行う前の事前準備のひとつ」と考えましょう。

◆机上査定のメリット…

  • 査定額がわかるまで長い時間がかからない
  • 家を業者に見せるための準備がいらない
  • 無料で、いくつもの業者に依頼できる
  • 簡単な情報のみである程度の査定額がわかる
  • 近所の人に知られない

◆机上査定のデメリット…

  • 査定額が実際の金額と異なる場合が多い

デメリットが少なく感じますが、結局のところ「参考にならない・あてにならない査定額になってしまうかもしれない」というのがもっとも困ることになります。最近は机上査定の方法も洗練されており、ある程度参考になることも多くなっていますが、信じすぎてしまうのは危険です。

(2)実際に住宅査定をする方法

では実際に住宅査定をしたいと考えた時、どうすればいいのでしょうか。一般的には、次の2つの方法があります。

ア.不動産会社に査定を依頼する

不動産の売買を行う不動産会社に依頼すると、不動産を査定してもらうことができます。方法・ノウハウはそれぞれの不動産会社により異なり、やはり査定額も違いがでることがあります。不動産会社に依頼する場合には1社のみでも可能ですが、「できるだけ高い金額で売りたい」と思うのであれば、やはり複数の不動産会社に依頼してみることが重要です。

それぞれの不動産会社が出した査定額を比較した上で、最終的にどの不動産会社に売るのかを決定することになります。不動産決定の際には、住宅の査定額だけでなく、不動産会社の対応なども考慮するようにしましょう。

イ.インターネットによる不動産一括査定を行う

既にご説明したような簡易査定である「机上査定」は、インターネットの「不動産一括査定サイト」を利用すると、一度にたくさんの企業に査定を依頼することができます。不動産会社や査定額の比較が一気にできるというのが、最大のメリットです。

査定をする第一歩としては、この「不動産一括査定サイト」の利用が最も簡単で手早く、効率的だと考えられるでしょう。次の章で詳しく説明します。

2.不動産の一括査定ができるサイトのしくみを理解して利用してみよう

多くの不動産会社に査定を依頼できる「不動産一括査定サイト」。どのようなしくみになっており、どのように利用できるのかを理解しておきましょう。

(1)不動産の一括査定ができるサイトのしくみとは?

「不動産の一括査定ができるサイト」では、インターネットで同時に複数の不動産会社に住宅の査定を依頼することができます。下記の【住宅の査定額を知る流れ/一括査定】を見てもわかるように、査定を依頼したからといって、すぐに不動産会社の人が家に来ることはありませんのでご安心ください。

【住宅の査定額を知る流れ/一括査定】
①家を売りたい人が家の情報を入力する
②複数の不動産会社による査定結果が通知される
(画面に表示される、あるいはメール、電話などで伝えてもらえる)
③家を売りたい人はその査定額を見て、今後「どの不動産会社に訪問査定を依頼するか」を判断する

フォーマットに指定の情報を入力し、その情報がすべての査定に使われるので、それぞれの不動産会社に情報を渡す必要もありません。何社に査定を依頼できるかはその一括査定サイトによって異なりますが、現在は6社前後のサイトが多くなっています。多ければ多いほどいいというわけではありませんが、やはり6社以上は目安にしてみてください。

(2)不動産一括査定サイトのメリット

不動産一括査定サイトを利用するときのメリットをまとめると、次の通りです。

①一度に多くの不動産会社に査定が依頼できる
②「だいたいいくらからいくらになる」という価格の「幅」を知りやすい
③少ない情報で『ある程度現実に近い』査定額を知ることができる
④訪問査定を依頼する不動産会社の選択肢が増える
⑤一般的には無料である
⑥時間や手間が節約できる
⑦パソコンやスマホさえあれば、場所や時間を選ばない

「④訪問査定を依頼する不動産会社の選択肢が増える」については、一度にたくさんの不動産会社を知ることができるため、その後の訪問査定をする時にどの不動産会社にするか多くの不動産会社の中から選ぶことができる、という意味です。

また、不動産会社と電話やメールのやりとりをすることで、その不動産会社が顧客にどのような対応をするかを知ることもできます。不動産会社選びにおいても、住宅査定サイトの利用は非常に有効です。

(3)不動産一括査定サイトのデメリット

不動産一括査定サイトを利用するときのデメリットをまとめると、次の通りです。

①詳しい情報は伝わらないため、正確な査定額と大きな差が出る場合もある
②不動産会社からのメールや電話が増えてしまう
③今後付き合いのない不動産会社にも個人情報を伝えることになってしまう

このようなデメリットがあることを考えると、やみくもにたくさんの不動産会社に査定を依頼するのも避けたほうがいいでしょう。多くて十数社程度が一般的なようです。最大で6社に依頼できるサイトが多いので、6社以上に査定を依頼してみたい人は、複数のサイトを利用してみましょう。

「ネットで査定を依頼したら絶対に訪問査定を受けなければならない?」
インターネットで査定を依頼したからといって、その後必ず訪問査定を受けなければならないということは絶対にありません。「まずは査定だけでも」という気持ちでインターネットでの査定を試している人はたくさんいます。

ただし、気をつけなければならない点もありますので、この記事にあるような基本的な知識は必要です。また、利用するサイトの利用規約などもしっかり読み込むようにしましょう。

(4)不動産一括査定ができるサイトの例

売りたい住宅の一括査定ができるサイトをご紹介します。それぞれ入力には1分程度の時間しかかかりません。

イエウール
一括で査定してもらえる不動産会社の数:最大6社

スマイスター
一括で査定してもらえる不動産会社の数:最大6社

マイスミEX
一括で査定してもらえる不動産会社の数:最大6社

その他、「不動産一括査定」「住宅一括査定」などで検索すると、多くのサイトを見つけることができます。必ず一通りの説明を読んでから利用するようにしてください。

3.どうすれば訪問査定で高い査定額になる?

インターネットを利用して一括査定(机上査定・簡易査定)を行った後は、「訪問査定」を依頼し、実際に住宅を確認して正確な査定額を出すことになります。

家を売ったお金は新しい家を購入する資金や、新生活の資金にもなりますから、「できるだけ高い価格で売りたい」と思うのは当然のこと。そのためには、家の価値を認めてもらい、できるだけ高い査定額を出してもらわなければなりません。

  • 同じ家であっても、その時の環境や条件によって査定額が違うことがある
  • 同じ家であっても、不動産会社によって査定額が違うことがある

といったことを踏まえ、どうすればより高く査定してもらえるのかを考えてみましょう。

※ここで注意しなくてはいけないのは、査定額は売却価格を保証するものではないことです。不動産会社によっては契約を取るためにわざと高い査定額を提示するところもあるので注意が必要です。査定額の根拠も必ず確認するようにしましょう。

(1)不動産価格の相場を知っておくことの重要性

高く査定してもらうためには、まずあなた自身が不動産価格の「相場」を知っておくことが重要です。「この地域の似たような物件がだいたいいくらくらいで売買されているか」ということを知らなければ、不自然に低い査定額または不自然に高い査定額になっても気づくことができないからです。

相場を知るには、次のような方法が大変有効です。

国土交通省|土地情報総合システム のサイトで調べる
国土交通省が公表している、土地や建物の取引金額をまとめたサイトです。◆周辺の不動産販売価格を見ておく
近所の不動産会社のホームページで、不動産の販売価格を確認しておく方法です。周辺に似たような物件がないか見てみましょう。不動産会社の「ちらし」なども目を通しておくようにしてください。

ただし、売り出すときの価格は「査定額」とは異なるため、その点は注意する必要があります。売りやすさなどが考慮されるため、「売価は査定額よりも低い場合が多い」と考えおきましょう。ですから、やはり査定額自体はより高いほうがいいのです。

(2)訪問査定をしてもらう不動産会社の選び方

一括査定を依頼した不動産会社の中から訪問査定を依頼する不動産会社を選ぶ際は、次のようなポイントで考えてみましょう。机上査定(簡易査定)の査定額が高いことも重要ですが、それ以外のポイントも重要なのです。

【不動産会社を選ぶポイント/こんな不動産会社であれば安心できる】

  • 今までのメールや電話の対応がよかった
  • 机上査定(簡易査定)について詳細な説明があった
  • 質問に対し、迅速に、丁寧な回答があった
  • 「すぐに売れる」といった楽観的なことばかり言わない
  • 「売れにくい可能性」についてもきちんと考慮がある
  • 法律や税金のことを尋ねてもあいまいにしない

今後やりとりが増える不動産会社になることを考え、少しでも「おかしいな」と感じる点があればすぐに質問し、確認してください。解決できない場合には、「この不動産会社でいいのだろうか」という点に立ち戻るようにしましょう。

可能であればインターネットでその不動産会社の口コミや、利用した人の経験談なども調べておくといいですね。その場合にはひとりだけの口コミや経験談を参考にするのではなく、複数の人々の情報を参考にしましょう。やはり人によって感じ方は異なるため、誰かひとりの意見を頼るのは危険なことです。

(3)高く査定してもらえるかもしれない技

査定は不動産会社がそれぞれの基準を持っており、その基準に基づいて行われるものです。「このような条件であれば高く査定されやすい」というポイントもあります。次のような「技」を最大限実施してみましょう。

もちろん、広さや築年数は数字で表示されるものですから、これを変えることはできません。ですが、査定するのは人ですから、「印象」で異なってくる部分があるのは否めません。見栄えを整えておくことはとても大切なことです。

ア.掃除や整理整頓の技

実は、いろいろなものが散らかって生活感にあふれた家を整理整頓しても、査定額が高くなることはありません。家そのものを査定するため、そこで生活している人による小さな変化は査定の材料にならないのです。

ただし、カビが生えている壁・天井などはしっかりと掃除を。日当たりや湿気についての判断材料になるかもしれません。また、収納場所は「どれほどの収納力があるか」が考慮される場合があるため、奥行きが見える程度には整理整頓しておきましょう。

イ.家の情報を揃えておく

家を購入した時の図面、パンフレット、その他の資料があれば準備しておきましょう。どのような「売り」があったのかを的確に伝えることができます。住み続けているとそれが当たり前になってしまい、うまく説明できない「この住宅のセールス・ポイント」やメリットがあるかもしれません。(立地などの情報については、過去のものですので情報が変わっている場合もあります。)

ウ.費用が掛かりすぎない範囲でのリフォーム

リフォームについては必ずしもしたほうがいいというわけではありません。リフォームをすることで確かに家の価値は上がるかもしれませんが、「リフォーム代金」が高くついてしまえば、売主が損をしてしまう可能性もあるからです。少し査定額が落ちてしまっても高いリフォーム代金なしで済むのなら、結果的にはそのほうがお得かもしれません。「リフォーム費用がかかり過ぎない程度」で可能であれば、実施してみる価値はあります。

おわりに

「査定」の違いはご理解いただけたでしょうか?インターネットによる一括査定から訪問査定までの流れ、査定額をあげるコツもご説明しました。査定は家を売るための第一歩となるもの。家の価値がわかれば、今後どのように動けばいいのかも具体的になります。インターネットの査定は気軽にできるものですので、ぜひ試してみてください。

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