【媒介契約】あなたに向いている媒介契約の選び方

媒介契約
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家の売却を進める中で、
「媒介契約はどれがいいんだろう・・・」
と立ち止まってしまっていませんか?

媒介契約は3種類あり、それぞれに特徴があるので、迷ってしまうのも無理はありません。

しかし、媒介契約は売り主が決めるものです。また、家が売れるかどうかにも関係する重要なポイントなので、正しく理解した上で選ぶことが大切です。

この記事では、媒介契約の重要性や3つの違いをわかりやすく解説していきます。

これを読めば、あなたにふさわしい媒介契約を選ぶことができるようになります。

1.【媒介契約】の基本を正しく知ろう

 

【媒介契約】とは・・・家を売る場合に、自分で買い主を見つけるのが難しいなどの理由から、不動産会社に仲介を依頼する時に結ぶ契約のこと

ここでは、媒介契約を結ぶ前に知っておきたい基本情報や目的について紹介します。

1)あなたはいくつ答えられる?<媒介契約8つの質問>

媒介契約の大切なポイントについて、8つの質問を用意しました。

 

Q1:媒介契約を結ぶ目的がわかる
 A:売却活動を円滑に進め、トラブルを未然に防ぐ目的があります。
  ※詳細は『1.(2)』で解説しています。

 

Q2:媒介契約は口約束でもいい
 A:いいえ。契約内容を書面で示すように法的に決められています。
   ※詳細は『1.(2)』で解説しています。

 

Q3:媒介契約を結ぶタイミングは、買い主が見つかった時でいい
 A:いいえ。媒介契約は売却活動をスタートさせる前に結びます。
   ※詳細は『1.(2)』で解説しています。

 

Q4:媒介契約には3つの種類があり、その違いがわかる
 A:媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3つがあります。それぞれの違いや特徴は記事内で紹介していますので、比較表やポイントを確認しましょう。
   ※詳細は『2.(1)ウ』で解説しています。

 

Q5:不動産会社に勧められた媒介契約に決めるのがいい
 A:いいえ。売りたい家の状況や、売り主の売却に対する考え方によって売り主が自分で媒介契約を決定します。逆に、十分な説明もなく特定の媒介契約を勧める不動産会社には注意が必要です。
   詳細は『2.(2)』で解説しています。

 

Q6:自分がどの媒介契約に向いているか、見当がついている
 A:簡単には決められないのではないでしょうか。それぞれの向き・不向き、メリット・デメリットなどを十分に理解した上で総合的に決めましょう。
     ※詳細は『2.(3)』で解説しています。

 

Q7:仲介手数料がどれくらいかかるのか、見当がついている
 A:仲介手数料には上限があり、取引額によって割合も変わります。仲介サービスの対価としてふさわしいか、不動産会社が適切な仲介手数料を提案してくれるかをチェックしましょう。
   ※詳細は『3.(3)』で解説しています。

 

Q8:媒介契約はいつでもキャンセルできる
 A:いいえ。媒介契約には有効期間があり、基本的には契約満了までキャンセルはできません。ただし、理由によってはキャンセルできるケースもあります。自己都合によるキャンセルの場合はキャンセル料が発生することもあるので注意が必要です。
   ※詳細は『4.』で解説しています。

いくつ答えることができましたか?

今の時点で答えられなくても問題ありません。まずは媒介契約について正しく知ることから始めましょう。

(2)媒介契約の目的とタイミング

媒介契約を結ぶ目的は、

  • 売り主が不動産会社から受けられる仲介サービスを明らかにする
  • その仲介サービスに対して支払う仲介手数料を明らかにする

などが挙げられます。

媒介契約を結ぶことにより、売り主の権利が守られ、売却活動をスムーズに進めることができます。また、トラブルを防ぐことにもつながります。
また、不動産会社に依頼して家を売る場合、媒介契約を結ぶことは法的に義務付けられています。不動産会社は売り主に対して契約内容を書面で提示することも決められています。

媒介契約を結ぶまでの流れとタイミングは、

   不動産会社を決める

  媒介契約を結ぶ

   売却活動を始める

となり、売却活動を始める前のタイミングで媒介契約を結びます。

媒介契約を結ぶ前に、信頼できる不動産会社を選び、媒介契約についてきちんと説明を受けましょう。その上で自分に合った媒介契約を結び、安心して売却活動をスタートさせましょう。

 

2.3つの<媒介契約>からあなたに向いている媒介契約を選ぶ方法

媒介契約には3つの種類があります。

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

3つの媒介契約にはそれぞれ違いや特徴があります。

 

(1)媒介契約の3つの種類とその比較

まずは3つの媒介契約の違いを知り、比較してみましょう。

 

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他社への仲介依頼     ×     ×     〇
自分で買い主を探す     ×     〇     〇
売り主への報告義務 1週間に1回以上 1週間に2回以上 義務なし
レインズへの登録義務     〇     〇     ×
契約の有効期間 3ヶ月 3ヶ月 制限なし

 

レインズ】とは・・・国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営するシステム。登録された家(不動産)の情報が、他のすべての不動産会社に提供され、最適な買い主をスムーズに探すことができるようになる。

※参照:レインズ

ア.専属専任媒介契約のポイント

  • 仲介は不動産会社1社のみに依頼する
  • 自分で買い主を見つけて売買できない
  • 1週間に1回以上、売却活動の報告を受けることができる
  • 契約を結んだ日から5日以内にレインズに登録される

イ.専任媒介契約のポイント

  • 仲介は不動産会社1社のみに依頼する
  • 自分で買い主を見つけて売買できる
  • 2週間に1回以上、売却活動の報告を受けることができる
  • 契約を結んだ日から7日以内にレインズに登録される

ウ.一般媒介契約のポイント

  • 仲介は複数の不動産会社に依頼できる
  • 自分で買い主を見つけて売買できる
  • 不動産会社は売却活動の報告をする義務がない(任意で報告を受けることができる)
  • 不動産会社はレインズに登録する義務がない(任意で登録してもらうことができる)
  • 契約の期限はない(行政上は3ヶ月以内)

(2)1番多いのは「専任媒介契約」

では、実際に家を売却する人は3つのうちどの媒介契約を選んでいるのでしょうか。

媒介契約割合

(参考:家売り隊

上記のデータより、3つの媒介契約で一番多く選ばれているのは「専任媒介契約」であることがわかります。

先ほど紹介したように、「専属専任媒介契約」は不動産会社1社のみと契約、自分で買い主を探せないなど、制限が多いのが特徴です。逆に、「一般媒介契約」は自由度が高いのが特徴です。「専任媒介契約」はその中間にあるため、売り主にとって選びやすい媒介契約であると考えられます。

しかし、「専任媒介契約」がずば抜けて選ばれているというわけではありません。売りたい家の状況や、売り主が売却活動に求める条件によって媒介契約を選び分けていると言えます。

「不動産会社がすすめるから」「多くの人が選んでいるから」という理由で媒介契約を選ぶのではなく、自分の意思で決めることが大切です。

(3)3つの<媒介契約>あなたはどれに向いている?

「自分に合っている媒介契約はどれだろう…?」と迷ってしまっているかもしれませんね。

ここからは、3つの媒介契約のうち、あなたに向いている媒介契約を1つに絞る方法を紹介します。

そのためのステップは2つあり、実はとてもシンプルです。

 

【STEP1】:仲介を依頼する不動産会社の数を決める
【STEP2】:自分で買い主を探すかどうかを決める

【ステップ1】は、「仲介を依頼する不動産会社は1社か?それとも複数社か?」という視点で考えます。これにより、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」か、それとも「一般媒介」かを決めることができます。

先ほどのグラフで紹介したように、不動産会社1社のみと契約する「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」を選んでいる人は全体の約70%います。

「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」を選ぶメリットはそれぞれありますが、窓口を1社にすることにより売り主の手間や負担が軽くなるというのが最大のメリットです。ただし、1社にしか依頼できないので、不動産会社選びは特に慎重に行う必要があります。

逆に、複数社に仲介を依頼したい場合は「一般媒介」を選ぶことになります。複数社にすることで競争力が高まり、早く高く売れる可能性が高まります。また、自分で自由に買い主を探すことができます。 ただし、複数の不動産会社とやり取りするので、売るまでに時間がかかる傾向にあるので注意が必要です。

【ステップ2】は、「身近に自分の家を買ってくれそうな人がいるか?いないか?」という視点で考えます。これにより、「専属専任媒介契約」か、それとも「専任媒介契約」を決めることができます。

一般的には、自分で買い主を探すのは難しいので、買ってくれる人のあてがない場合は「専属専任媒介契約」を選ぶのが良いでしょう。一方、買ってくれる人のあてがある場合は「専任媒介」を選ぶのがいいでしょう。

ア.専属専任媒介契約に向いている人

  • 絶対的に信頼できる不動産会社を知っている
  • 売却はすべてプロに任せたい
  • 家の売却にかけられる時間的な余裕がまったくない
  • 家を買ってくれる人のあてがまったくない
  • 売却活動について詳しく状況を知りたい

イ.専任媒介契約に向いている人

  • 絶対的に信頼できる不動産会社を知っている
  • 売却はできるだけプロに任せて、スムーズにしたい
  • 自分で買い主を探す程度の時間的な余裕がある
  • 家を買ってくれる人のあてがある

ウ.一般媒介契約に向いている人

  • 売却に手間や時間をかけることができる
  • 売ろうとしている家は人気がある、売れやすい物件である
  • 家を買ってくれる人のあてがある
  • 不動産を売却した経験がある
  • 身近に不動産に詳しい人がいる

ここでは、媒介契約を1つに絞る考え方や、それぞれの媒介契約に向いている人の特徴を一部紹介しています。媒介契約の最終的な決定は、3つの媒介契約の詳細やメリットやデメリットを十分に理解した上で総合的に判断することが大切です。

※3つの媒介契約の詳細については、別記事にて紹介します。そちらの記事も参考にしながら、媒介契約を選ぶことをおすすめします。

3.<媒介契約>結ぶ前に確認するべき4つのポイント

どの媒介契約を選ぶにしても、契約を結ぶ前に4つのポイントを必ず確認しておきましょう。

(1)売り主の希望が伝わっているか

あなたの状況に合った細かい条件についても不動産会社にきちんと希望を伝えましょう。

 

【売り主の希望の一例】

  • いつまでに売りたいのか、いつまでに引っ越したいのか
  • いくらで売りたいのか、売却したあとの資金計画について
  • どのような売却活動を希望するのか、宣伝広告はどの範囲まで希望するか、など

希望する条件がすべて通るわけではありませんが、不動産会社と十分に話し合っておくことが大切です。また、不動産会社が親切丁寧に対応してくれるかをチェックし、今後の売却活動を万全な状態で進めましょう。

(2)どのような仲介サービスを受けられるか

契約を結ぶ前に、受けられる仲介サービスをきちんと確認しておきましょう。あとになって受けられると思っていたサービスが受けられないなどの事態も起こるので、事前に確認しておくようにしましょう。

 

【売却活動で確認しておきたいサービス内容】

  • レインズへの登録の有無(いつまでに登録されるか、登録完了の報告はあるか、など)
  • 広告宣伝の内容(折り込みチラシの内容・頻度、インターネット広告の内容、ポータルサイトへの掲載の有無など)
  • 他の不動産会社との連携はあるか、など

 

【売却活動の報告について確認しておきたいサービス内容】

  • 売却活動の報告を受けられる場合、どのような方法で報告を受けられるのか
  • 形式的な報告だけでは売却活動の実態が見えないケースもあるので、具体的に報告が受けられるように依頼する
  • 一般媒介の場合も、報告を受けられるように依頼する

 

【その他の確認しておきたいサービス内容】

  • 売却する家の権利や規制、周辺環境などの調査をしてくれるか、費用負担の有無
  • 物件の重要事項説明書、契約書などの作成をしてくれるか
  • トラブルや損害が出た場合はどこまで対応してくれるか
  • 売り主側が行うことを明確にしてくれているか、 など

(3)仲介手数料は適正か

受けられる仲介サービスをしっかりと確認してから仲介手数料を確認しましょう。仲介手数料は媒介契約後にトラブルが起きやすくなっています。

下記のポイントを押さえ、不動産会社からきちんと説明を受けましょう。また、不動産会社から不誠実な提案や対応があった場合は、不動産会社を再検討することも頭に入れておきましょう。

 

【仲介手数料について知っておきたいポイント】

  • 仲介手数料には上限があり、基準は下記の表の通り
    取引額 仲介手数料(税抜き)
    取引額が200万円以下 取引額の5%以内
    取引額が200万円を超え、400万円以下 取引額の4%以内
    取引額が400万円を超える 取引額の3%以内
  • 仲介手数料は売買契約が成立した時点で発生し、請求が可能になる
  • 仲介手数料の支払いは、売買契約成立時に50%、引渡し完了時に50%が一般的
  • 通常の仲介サービス以外で、売り主が特別に依頼した仲介サービスの「実費」(例えば遠隔地にいる買い主への出張費用など)は、仲介手数料以外の費用として請求される

 

(4)媒介契約書は正しいか

どれだけ念入りに仲介サービスなどを確認しても、それが「標準媒介契約約款」に基づき、書面に残っていなければ効力はありません。

 

【標準媒介契約約款】とは・・・国土交通省が標準的な媒介契約の契約項目を定めたもの。これにより、消費者にとって不利な媒介契約が結ばれることを防いでいます。

下記の項目がきちんと書面に記されているか確認し、契約を結んだあともきちんと保管しておくようにしましょう。

 

【媒介契約書で確認しておきたいポイント】

  • 標準媒介契約約款に基づいているかどうかの表記がある
  • 媒介契約の種類
  • 対象物件の表示
  • 不動産会社の義務と仲介サービス
  • 有効期間と更新
  • レインズへの登録
  • 媒介価格
  • 仲介手数料
  • その他、売り主の依頼した希望についての記載があるか、など

 

4.媒介契約をキャンセルしたいと思ったら

媒介契約を結んだあとにキャンセルする必要が出てくるケースもあります。契約期間の途中でも、下記のような場合はキャンセルできます。

 

【契約を途中で解約できるケース】

  • 不動産会社が媒介契約にある仲介サービスを行わない
  • 不動産会社がウソの報告を行った、不正を行った
  • きちんとした理由があって売却をやめたい、など

しかし、場合によってはキャンセルできない、キャンセル料を請求されるようなケースもあります。

 

【媒介契約を途中で解約できないケース】

  • 不動産会社のサービスには問題がないがなかなか売れない
  • 不動産会社がきちんと売却活動をしているが、他にいい不動産会社を見つけた、など

 

このように、不動産会社には何の問題もない場合は途中でキャンセルするのは難しいでしょう。それでも強引にキャンセルしたい、すでに他の不動産会社に乗り換えてしまった場合などは、それまでにかかった実費を請求される可能性があります。これは「標準媒介契約約款」にも定められています。

依頼する不動産会社を変えたい、媒介契約の種類を変えたいという場合は、基本的には契約が満了になるのを待つことをおすすめします。このようなトラブルを防ぐためには、不動産会社選び、媒介契約選びを慎重に行うことが大切です。

 

おわりに

媒介契約について解説してきましたが、いかがでしたか。

3つの媒介契約の特徴と、あなたの求める売却活動とを照らし合わせ、媒介契約を慎重に選んで欲しいものです。

この記事が、あなたにとって納得のいく売却活動の参考になり、売却の成功に繋がれば幸いです。

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