結婚を機に分譲マンションを購入したけれど住んでみると思いのほか住み心地が良くない…将来子供が増えるとなると今の家は手狭になる…買ったばかりだけれど、将来のことも考えて今の家を売却したい。
正直、立地もそこまで良くないし、日当たりも悪い、家族で世帯を持つのであれば少し狭いなど、売却するにも売れるかどうか不安がある。今の家が全く売れなかったらどうしたら良いんだろう…
大丈夫です。万が一、あなたの家が売れなくても「買取」により、あなたがお持ちの家を売却する方法があります。
まずはじめにあなたが家を売りたいと思った場合、家を売る方法は大きく分けて2つあります。
- 売却
- 買取
一般的に家を売ろうとなると「売却」を利用します。しかし、家を売りに出して、一定期間内に買主が見つからなかった場合、売却ではなく「買取」を利用するケースが多いです。この買取は、事前に取り決めた金額で仲介業者が買い取ってくれる保証のことを指します。
一定期間売れなかったら買取ってくれるなんてラッキー!そう思った方が多いかもしれませんが、この買取、家を今すぐ売りたい方にとっては聞こえの良い手法かもしれませんが、不動産会社と契約を結ぶにあたり気をつけなければいけないことがあります。
今回は今の家が売れるかどうか不安なあなたに知って欲しい不動産の買取保証についてご紹介いたします。
1.必ず知っておきたい買取保証のメリット・デメリット
買取保証は「必ず家が売れる」ということを保証してくれるものではあります。ですが、「あなたの希望通りに」なのかというと、そうではないのです。考えてみましょう、家が売れるとしても、自分が思っていたよりもずっと低い価格であれば、やはり歓迎できるものではありません。また、期間の設定もあなたに有利なものであるか考えなくてはなりません。もう少し待てば高く買う人が現れるかも…そんな状況で安い価格で買取となったら、逆に困ることに…。
まずは買取保証にはメリットとデメリットがあることを理解しておきましょう。
【買取保証のメリット】
- 買い主が見つからない場合も、必ず売却することができる
- 売りたいマンションを素早く現金化できる
- 仲介業者が買い取るため、「仲介手数料」がかからない
- 売る価格が事前にわかり、次のマンションの購入計画を立てやすい
- 「絶対に売れる」という安心感がある
- 期間がはっきりしているためスケジュールが立てやすい
【買取保証のデメリット】
- 買取の値段が低く設定される。売り主が設定した売却価格の80%程度
- 業者が安く買取する狙いから、販売活動を手抜きする危険性もある
- すべての業者が実施しているわけではない
- 期間については業者の指定する範囲内となる
2.買取保証をつけるために満たさなければいけない条件とは?
買取保証は「つけられる条件」があります。どんなマンションでも買取保証をつけられるというわけではありません。条件は業者によってことなりますが、次のようなものがあります。
※条件については業者ごとに異なります。ここに書かれていない条件がある場合もありますので、必ずご自身で確認してください。
【買取保証の条件】
- 専属専任媒介契約または専任媒介契約を結んでいる
・「専属専任媒介契約」:ひとつの不動産会社のみに仲介を限定して依頼する契約。他の不動産会社への依頼を禁じるものです。もし、自分自身で仲介業者を介さず買い手を見つけた場合にも、この不動産会社を通す必要があります。
・「専任媒介契約」:ひとつの不動産会社のみに仲介を限定して依頼する契約ですが、専属専任媒介契約と異なり、自分自身で仲介業者を介さず買い手を見つけた場合は、不動産会社を通す必要がありません。 - 「専有面積30平方メートル以上」など、専有面積の指定がある
・「専有面積」:マンションなどで、完全に個人のものとして扱うことのできる部分の面積のことを言います。例えば玄関ポーチ、バルコニーなど、共用部分は入りません。
この専有面積が30平方メートル以上、40平方メートル以上のマンションなどで限定されます。 - 建築確認を受けた時期が「昭和56年6月1日以降」など、指定されている
・「建築確認」:建築物がさまざまな法律・法令に適合しているかどうかの審査を受け、問題がないと確認されることをいいます。
この時期が「昭和56年6月1日以降」など、指定されている場合があります。
3.あなたの場合は買取保証があったほうがいい?なくてもいい?
既にご説明したように、買取保証は必ずあったほうがいいというものではありません。買取保証をつけるのに向いている場合・向いていない場合があります。あなたの場合はどうでしょうか?
【買取保証をつけるのに向いている場合】
- 住み替えるマンションの購入を急いでいる
- 売却で得た資金を住み替えるマンションの購入に充てたい
- ある程度売却価格が下がってもよいと考えている
- 多少売却価格が下がっても、「必ずこの期間内に売れる」という安心が欲しい
- 売却するマンションの価格を確定させておきたい
- 売却と購入を計画的に進めたい
- マンションの立地があまりよくない(売り手が見つけにくい)
【買取保証をつけるのに向いていない場合】
- 住み替えるマンションの購入に、ある程度時間的な余裕がある
- できるだけ高い価格でマンションを売りたい
- 売却期間が延びても構わないから、売却価格は高く設定しておきたい
- マンションの購入や売却のスケジュールに幅が出ても問題ない
- マンションの立地がよい(売り手が見つけやすい)
買取保証をつけるのに向いていないのにつけてしまうと、「売却価格が低くなる」など、買取保証のデメリットが目立つ結果になってしまいます。
【判断材料の中でも重要なもの】
- 売却するマンションの売れやすさ
これは、不動産会社などに確認することで、ある程度知ることができます。また、同じマンションで既に売れた部屋の価格なども情報収集してみましょう。売れるマンションであれば、買取保証をつけるまでもありません。 - 住み替えるマンションの購入時期を遅くすることができるか
購入の時期を遅くできれば、売却期間も長く持てるということになり、できるだけ高く売りたい場合に有利です。
大型新築マンションの場合、「1期」「1次」など段階的な売り方をする場合も多く、2期、2次以降の購入でも同じタイプの部屋が購入できます。このような「購入時期の調整」も考えてみましょう。
ダブルローンよりも借りやすく、資金的余裕が生まれやすい「住み替えローン」などを利用するとしても、理想は売却後に購入するという方法です。
おわりに
この記事ではマンション売却の際の買取保証についてご説明しました。
買取保証は「保証」であり、つけることにより安心感が増しそうですが、場合によっては損をしてしまう可能性があるということもご理解いただけたと思います。自分の場合は買取保証を付けるのに向いているパターンか、そうでないかを十分考えた上で、判断するようにしましょう。
また、できるかぎり不安のない方法で売りたいと考える場合には、やはり「売却先行」がお勧めです。買取保証を付けるか付けないかの答えがうまくでない場合には、売り方から考え直してみるのも一つの方法かもしれませんね。